ついうっかり死にかけたはなし。

ヒト科

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いつこんな風になってもおかしくない生活はしてた。

私はタバコも大量に吸うし、酒も大量に飲むし、血圧も高めだけど、んなもん気にしないと今まで全ツッパしてきたのですが、急性大動脈解離という適切に処置できないと速攻死んでしまう病気にかかってしまいまして、めちゃくちゃ痛い思いと生死の境を彷徨いました。

でも、幸い色々な条件が重なり、発症からおよそ2週間でほぼ後遺症もなく退院できる運びとなりました。

それでなのだけど、その前にかかっていたコロナ(無症状)の時に、毎日LINEで状況を聞かれる内容に気がついて、こうしておけばよかったとか、あの日あの時あの場所でこういう対応をしたなら、などあとのまつり的な話をしようかと思います。もし似たような状況の人がいたら参考になればと思い、こんなところに気をつけておくとか、いざ病気にかかった際にこうしておくと、多少死なずにすむ確率が上がるじゃないか?などの話をしたいと思います。

(私はもうやらかしてしまっているので手遅れというか、もうサイボーグ化が進んでいます。)

コロナウイルスには超気をつけていた。

これだけ蔓延してしまっているので、検査していると言うのもアレですが、この一年、仕事の都合上、コロナ感染していないことが必須条件だったため、予定日の二週間前から、体温をチェックし、お仕事の前日には抗原検査を行なっていました。

また。だいぶ早いうちにパルスオキシメーターも常備し、チェックしていました。

普通の数字だが、結果的にはこの数字が指していることで病状が進んでいるかどうかなんてこれっぽっちもわからなかった。

勿論、受けられるワクチン接種は三回全て受けていました。

ただ、他の人達と違ったのは副反応と呼ばれるものがほぼ無かったです。あってもインフルエンザ接種のような小さな腫れ程度で、熱も上がりませんでした。

友人もワクチン打ったけど全然症状が出ない人がいるので今回の件以来、何も反応が出ないのも問題あるのかも。気をつけて見ていた方が良いよーと声を大きくします。

そこまで気を遣っていたコロナですが、とうとうその仕事先でコロナが発生し、自分が感染してしまう悲劇が起きてしまいました。

自主隔離前のPCRでは陰性ということで、5日間の待機生活がはじまりました。

隔離生活+毎日抗原検査で陰性を確認。

特段症状もなかったのですが、最後の日の抗原検査で陽性。

愕然としました。

なんでやねん。よりによって最後の最後で、、、。

仕方がないので早速自宅に戻り、再度PCRの検査をうけたのでした。

(この時の検査は抗原検査では陰性、PCRでは陽性と非常にあやふやな結果になりました)

抗原検査では陰性
PCRでは陽性。

PCR陽性判定が出たところで、保健所へ連絡。

病院での診断を受けるよう指示をうけます。

結果、本来であればPCRの陽性判定から無症状の場合、7日間の隔離のはずでしたが、医師の方からは来院した日時から、10日間と指定をうけました。

詳しい説明はありませんでした。今思えばすげぇいい加減。

自宅にて、部屋を隔離し、私は部屋に籠り、妻と2人で何とかやりくりすることに。

幸い妻の方は四度目の接種をうけていたのと、私の在宅期間満了より少し前に、PCRを受けてもらい、陰性が、確認されていたため、感染することもありませんでした。

自宅療養解除日が8/22だったのですが、その間も、無症状のため、とくに変わった事もなくそのまま過ぎていきました。

在宅中はやることがないので冷凍庫の整理をしつつ魚のほねをとったり標本作りをしたりと、家の中でできる、簡単なことしかやっておりませんでした。

当然、どこかに出かけるわけでもなく、体に負担がかかるようなことはほとんどありませんでした。

しかし、それは静かに突然やってくる。

コロナ自宅療養明けからちょうど8日目の朝。

8/30(火)朝7:30頃のことでした。魚鰭の骨を並べてる時に左下にある物を持とうとしたところ、ドクンと強烈な痛みを背中と心臓に同時に感じました。

まるで背中の筋肉と心臓をいっぺんに剥がして来るような感覚です。

次に、心臓の鼓動と連動して背中を剥がされるようなありえない痛みが止まりません。まるでゴールドエクスペリエンスレクイエムみたいに、死ぬ、生き返る、死ぬみたいな連続かつ強烈な痛みがやって来ます。

目の前が緩く回転し始め、痛みはどんどん酷くなる。

ヤバイ・・・。心臓周りでとんでもないことがおきている。最悪しぬかもな、、、。

すぐに寝ている妻を起こし、心筋梗塞を疑いました

(この時、なんて言って妻を起こしたのか?全く記憶がない。)

ですが、痛みは自分に他の事をする余裕を全く与えてくれなかった。

スマホでの検索キーすら打つことが出来ません。とにかく119へ連絡。

状況を説明しながらもウオー痛い、ウオー痛いと連呼していました。

ただ、ベットの上でのたうちまわっているけど、意識はしっかりあったので、頭はやられてないなとおもってました。

ここで頭やられてたら完全終了だと自分でも直感的に思ったのです。(ひたすらやってくる胸と背中の痛みに対しては一生懸命イキュラスキュオラをかけていたが、再度体感すると記憶が戻る魔法だったので全く効果がありませんでした。)

痛すぎて妻との会話すら出来ない

早朝という事、近所ということもあってか、救急車は架電から10分待たずに来てくれてたとおもいます。

救急隊員さんは常に現在の痛みの度合いを測っていて痛みを一番痛かった時を10として、いまどのくらいか?と聞いてきます。

意識も朦朧として、血圧は200を軽く超えていたため、この段階になると自分から動くことは出来なくなっており、ほぼ病院に到着するまでは痛みは5を切る事はなかったと記憶してます。

搬送先の病院は部位的に心臓、背中周りが痛いと私が何度も連呼していたため、心臓血管系に強い病院を探してくれたようでした。(これが、自分を一番救ってくれた要因の一つだと今は思います。)

15分ほどで病院到着。

すぐにicu(集中治療室)に入れられました。

それぞれの担当がかわるたび、何度も自分の生年月日と名前をつたえます。

まず、先にレントゲンを撮影、月にCT撮影、造影剤を入れてのCT撮影になりました。

まだ、ベットの上で大きな処置は始まらない。不安が募る。そして待ってる間、血圧が急激に下がりはじめます。80-50とか言ってる。

ヤバイ他の臓器に影響出たらどうしょう、、、。

他の臓器に影響が出れば当然、今の状況も大きく変わるため、気が気ではない。

更に血圧が下がるのが大き過ぎたたためか、今度は急激な寒さ、震えが襲ってきます。

”これって全く血が通ってないよな、、、。”

全身震えて寒い寒いと言って途中から記憶が無くなりました。

(パトラッシュ僕もうつかれたよ、、、、。)

次に気がついたときは、CT撮影のためのエレベーター前でした。

何かの薬のせいなのか、痛みはあるけど、意識もはっきりあって、”この病気ってなんと言う病気ですか?”

と聞けたのを覚えています。すると、

“CT撮影結果次第ですが、急性大動脈解離といって、心臓に近い大動脈が裂けてしまっている可能性が高いので、この検査次第で裂けていたら手術になるとおもいます。”と女医さん。

“手術は必要ですか?”と私。

“このまますぐ手術しないと100%死んでしまいます。”と女医さん。

言葉を濁してくるかと思いきや、うぉーまじか、はっきり言われた。絶対死にますか、そうですか。

手術はどのくらいの失敗率ですか?

場所によるし何とも言えないけど、失敗率は24時間以内で20-30%くらい。

それを聞いて、なんだ、それくらいか、とはならなかった。

何故なら、他の臓器が今どうなっているかとか、この時全くわかってなかったから。

こんなの頭の血管で起きたならくも膜下や、脳梗塞だし、術中になんか起きたら生きてるけど動けないとか最悪展開も頭をよぎる。

術後の他臓器不全も心配。これ血圧下がっているから内臓逝っちゃったりしてないのか?。

生還しても、問題は必ず出るだろうなと覚悟しました。

CTが終わりICUに戻ってくる頃には手術の手続きや時間まで決まってました。

病院に到着したのが8:00オペ開始予定時間は10:00と2時間で緊急オペ。

(自分を一番救ってくれた要因のもう一つだと思います。)

先生方が凄いスピードで対応してくれているのが自分でもわかりました。

でもこのまま、誰とも会わずにオペ室入って死んで出てきたらやだな、、、。

オベの前までにお願いしなきゃ行けない事を伝えないと。

と、先生に相談したら、少しだけ妻と話す時間を作ってもらえました。

・10月のイベントの件(参加されてる方へとりあえず連絡)

・宅急便の件(着払いで届く)

・ぺットの世話

・仕事のこと

(今考えるともっと大事な事なかったのだろか?)

妻へ伝えて話してオぺ室へ

入ったらもう覚悟もきまります。はい。マスク着けて

5分もしないうちに完全に仮死状態なので、記憶なんて全くありませんが、6時間程の手術だそうで

手術中は心停止処置(ザ・ワールド)が数分かけられたらしかったです。

で、目覚めたのは翌日8/31の朝6時でした。

鼻、口、喉、心臓、お腹、足の股の付け根、尿道。カテーテルいっぱい。

両腕には大量の点滴針。

体にいっぱい管が刺さってるので身動き取れない上に麻酔切れで起きているので痛い。痛い。痛い。

いわゆる全身チューブ人間になりました。

でも、落ちなくて済んだので第一段階突破。記憶もしっかりある。

とにかく痛いので動けないのだけど、動かさないとそれはそれで痛いので芋虫作戦しながら体勢をかえたりしてやりすごす。

術後、主治医の先生と初めてはなす。”病名は急性大動脈解離で動脈は上から下まで割れてました。詳しい話はおいおい話しますね。”

私は口に呼吸器が入ってるのでフガフガ相槌をうつ。

なによりスマホ使えないのでこの病気の詳細情報が見れなくて辛い。

とにかく痛みが出たらすぐに、痛み止めを入れて行くんだろうけど、すぐ切れてしまうのか、1人ウーウーと苦しんでいました。

この日は兎に角、痛みがあるようなら痛み止めでどんどん殺していく感じでした。

それでも痛すぎて身動きできない為その日と翌日は全く寝れなかった

翌9/1になるとicu(集中治療室)からCHI(集中治療センター)に移されました。

CHIでは心臓のペースメーカーコネクタ以外の管は全て取れた。だいぶ身軽になってきた。

※ペースメーカーも入れることなく無事に終わりました。

9/3には一般病棟。まだ体もまともに動かないけど、、、、もう目まぐるしい展開。こういうもんらしいです

変わった体験。

そう言えば。

・やはり痛むために連続して痛み止めを打ったためか、夜中ものすごく痛み止めが恋しくなったし、2日目の夜中には周りに幻がたくさんみえました。

夜中にキラキラと、壁を覗くと真っ白な色んな魚の骨がたくさん沈んでいて、なかなか綺麗でしたよ。

・咳払い、痰を出すのがやばいくらい痛くて苦しい。

胸骨や肋骨がまだ、くっついていない上に縫合されている為、無茶苦茶苦しい。

もしするときは肋骨と胸骨をだっちゅ〜のして押さえ込んで咳をする。そうすると少しマシなのだが

突然の気管支の違和感での咳払いは、逃げようがなく、連続した痛みと終わった際の独特な解放感につつまれます。

喉元から胸骨下部まで切開し強制的に肋骨を開いて手術しているため、

胸骨と肋骨はまだ繋がってないのかわからんがゴキュゴキュと、脱臼したように動きまくる。(聞いたら固定は3ヶ月かかるらしい。

縫合跡も引っ張られるのでさらに痛かった。

よくご自愛くださいとわたしはいうのだが、病院ではすぐリハビリさせられるのでさっぱりご自愛出来ない。

9/3尿道カテーテルを抜いてもらう。(スポン)

なんか、ようやくホームに帰ってきた気がする。

9/4ようやく風呂

自分の体を久しぶりに見たが、聖☆おにいさんになってた。

シャワーしか浴びていないのにのぼせてしまい具合が悪くなる。

相変わらず体中の筋肉部分が痛む。

一週間経過しても、最初に痛みが来た場所は痛み止めを飲まないと痛みがとれないでした。

ここまでで毎日のチェックは以下の通りでした。

採血

胸部レントゲン

心電図

脈拍

血圧

血糖値

尿検査

病気について。

9/5正確な術中術後の経過を先生から教えてもらう

病名:急性大動脈解離(スタンフォードA型)

スタンフォードA型急性大動脈解離は、診断が遅れれば24時間以内に50%が死亡し、1週間で90%が死亡する極めて重篤な疾患です。一方で、本疾患に対する緊急手術成績も死亡率は未だに9~30%と非常に高いのが現状

処置:上行置換術+弓部全置換術(ハイブリッド)

心臓に近い部分の大動脈から弓部までを人工血管とステンドグラフトという繊維で交換した。

こんな感じでほとんど人工血管になりました。

腎臓の数値ほぼ問題なし。

胃腸の数値ほぼ問題なし。

肝臓の数値もんだいなし。

動脈の石灰化のレベルが、50代にしては進行している

一旦はこのまま、生活して問題ない。

症状が出ても、上部ではなく下部に動脈瘤などの出現の可能性があるが、定期的に大きさなどを検知すれば事前に次の対応時期を決めることができる。

よかった。突然発症の危険性はかなり軽減されていたのでした。

さまざまな要因から病気は発症する。

結局コロナへかかって自宅療養している際に、無症状とはいえ、何かしらの病状が進行していたのではないかと考えました。

ですが、何度見直しても、この病気についてのコロナの項目で異常値が出るようなものはありませんでした。

とはいえ、発症したら一気にヤバくなるので、もしコロナにかかった際は、他の病気の線も疑って

専門の病院にてCTなりレントゲン撮影をしておくことをお勧めします。

また、生活習慣病の予備軍として認識されている方は、

発症する前に、かかりつけの医者を決めておくと良いかと思います。

(特にオペ体制がしっかりしている所にしましょう。

緊急手術になった際に、オペお休みの病院もあるため病院にたらい回しにされる可能性あり。)

今回の様にコロナに罹ったら無症状でも、別の視点でCTなどを受けることで状況を確実に確認することができます。

コロナとの因果関係はないとされていますが、くも膜下出血や、心不全で亡くなっているひとはコロナ感染後に起きている人も多数いるし、この病気で死んでしまったらコロナから心不全となってしまうので、決して甘く見ないで、調べてみたほうがよいとおもう。

と言う話でした。

最後に。

このような事で等価交換の話はしあまりたくないのですが、良いことも、悪い事も含めて人生で何度かそのようなことがあります。

一度目は帰省の際に大交通事故に巻き込まれそうになったのですが、無事家に帰ると可愛がっていた犬が、近所の大型犬に襲われ咬み殺されてしまった。

当時はあまりにもタイミングが合っていたため、悔やんでも悔やみきれず、物凄く自分を責めてしまいました。

今回はベビーのころから育てていたマタマタが9/6に突然死んでしまいました。飼育環境は問題なく、餌も水周りも安定していたのですが、、、。

このように直接なんか全く関係ないはずなのになんか意味があったりするような事が私には多々あります。

今回これだけ大変だったのに、一週間である程度、体がクリアできるまで回復できたのは、何かの作用が働いているようにも思えます。

私を含めて”いきものはいつかしぬ”のですが色々と重なると結構つらいですね。

今のところ何もなければ9/13に退院の予定です。

おしまい。

出典

ジャパンハートクラブ

大動脈解離•解離性大動脈瘤と日常生活管理

コメント

  1. あきら より:

    とにかくなんとか無事でよかったです〜
    まだ完全復活まで時間かかりそうですがお大事に早く元気いっぱいになる事祈っておりますし、元気になったらたた遊んでください!

    • ペン より:

      ご心配をおかけしました。
      若いと思ってても、体は正直ですね。
      とは言え悔しいので、とっとと治してみせます。

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