トリカジカっていろいろトリ憑かれている。

カイアシ類

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発掘。トリカジカ。

自分はいろんなお魚を見たり食べたりするのが大好きで、よくスーパーのお魚コーナーに出没して半額のものを狙って物色したりしています。

特に深海系は美味しいお魚が多く大好物なので、タイミングを見ながら、食用ではないものを購入して食べたり冷凍庫の肥やしに。

おかげで冷凍庫はいつも満員御礼なのですが、たまにチェックしないと何入れたか忘れてしまったり、知らずに冷凍焼けを起こしてたりするので怒られながら整理していると、トリカジカを発見。

トリカジカ。水深数百メートルの海底に住む頭でっかちな魚。

”あ、これやっておくやつだ。”

来た時からずいぶんと痩せており、お腹はぺしゃんこだったので、これは!と思いつつも取り急ぎ冷凍としていたやつだったので、いそいそと解凍しました。

ミサキナガクビムシを発見。

溶けたので確認してみると早速眼球に二匹ほど変なのがついていました。

”おっ。これはミサキナガクビムシ?”。

いけませんね。お魚が大好きと言ったくせに、自分、全然魚を見ていません。

もうこれを撮影している時点で、魚を見ていませんね・・。
涙目になっていてかわいそう。浸透圧のせいか一つ弾けてしまっている。

トリカジカの体表につくナガクビムシという外部寄生虫です。

なかなか珍しいようで、色々調べてみましたがかなり情報は少ない・・・・。

このタイプのいきものって淡水・海水問わずほとんどの魚に寄生できて、かつ、宿主ごとに名前がついているのではなかろうか?と思えるほど多岐に渡りそうな感じで、本来なら相当数の種類があると考えられます。

実際、ミズウオにもついていたし・・・。

形状だけだと個体差もあるだろうし、色々判別が難しそう。

見方を変えると、ナガクビムシで宿主がトリカジカの場合、ミサキナガクビムシとなるわけで、いまいちピンとこないのですが、ウオノエなどでも寄生するいきものの場合、宿主の魚種により名前が違っている(厳密には形状での判断だろうけど)。そういった解釈もあるのかな?思いました。

※また、こいつ何言ってんだ・・・。

で、これがいるっつーことは。

いたいた。トリカジカエラモグリ。

そっと鰓蓋を開いてみると、

やっぱりいました。

心がざわつく瞬間。

もう一つの期待。トリカジカエラモグリです。

鰓腔につくウオノエの仲間です。

”あっ!いた。”トリカジカエラモグリ。

チラッチラッ。と何度も開け閉めしてしまいました。足が透けて見えてますね。

で、取り出していくのですが、壊さないように慎重に引っ張り出してみると、鰓蓋の形状にフィットした状態でこんにちはしました。

意外と大きい。

ピンセットでそおっと引き出してみると・・。ズルリ。

ただでさえ頭が大きいトリカジカの頭から顔いっぱいのサイズのエラモグリ。

餌の関係なのか、総じて頭を口側に向けて入っていそうな印象でした。(そりゃそうだろう)。

体液を吸っているからなのか上半分は赤黒くなっているものの、末端部分は半透明。

まぁ可愛いのですけどね。

雄雌のペアで2匹ほど。お母さん体ひん曲がってますよ!。

抱卵していてお腹がすごい膨らんでいる。

お腹パンパン。どおりで結構な確率で寄生されているんですね。

ここまで書いて”はっ!”と気がついたのですが、今回はトリカジカのお話だった。

というわけで高確率でトリカジカはたくさんの寄生虫取り憑かれ体液を吸われて非常にかわいそうなお魚です。

口の中と鰓だとどっちが息苦しく無いんだろうとか思ってみたり、思わなかったり。

別の魚でウオノコバンの幼生が体表に着くと如実に体を擦り付けて外そうとしているのをみたことがあるので、嫌なのは間違いないなとは思っていますが、ほんの小さいうちに寄生されたらわかんないんでしょうね。

まぁ人間もニキビダニに寄生されたりしていても全く気が付かないので、大丈夫なのでしょう。

それと、このウオノエは他の魚に寄生しないのか?マルカワカジカは?他に寄生して体型が変わってしまったら新種になるのか?なんてことを考えるとナガクビムシ同様、夜眠れなくなりました。

いきものって何かしらの形で生存して行かなければならないわけで、魚だけでなくキノコや植物もこういった形で生きていく術を持っていることに感動を覚えます。

※人もですけどね。

自分なりに標本にしてみた。

せっかく取り出したので、標本(と言っていいのかわからないけど)。にするのですが、特製つけだれで”こうやって、こう”。(やり方は割愛します)。するとこんな感じになります。

雄。制作途中。
雄。完成。小さいのでこんな感じ。
雌。制作途中。
雌。完成。お腹を覆っていた薄い膜が広がってます。

作るのは良いけれど、作ってタンスの肥やしになっては意味がないな(お前がいうな)。と思うのと、液体が汚れる、その汚れた液体で見窄らしくなる。ということで、自分はこのように作成しています。

すでに何種類か作っているのですが、細かいディテールがはっきりわかる上に(透明すぎるのも多々ありますが)。汚れない。経年劣化が少なそうなので自分的に好きです。(めんどくさいところも多々ありますが)。

これ、いろんな種類ができているので、ぼちぼちアップできたらいいなと思います。

あ、トリカジカさんもナガクビムシごとしっかり標本にしました。が、やはり萎れてしまいよくわかんなくなってしまいました。(外殻がないと厳しいのかねぇ)。

ということで、最後までお読みいただきありがとうございます。

ト、トリカジカは???

いきもの。っていいですね。(おしまい)。

参考文献:

日本産魚類に寄生するナガクビムシ科カイアシ類の目録 (1939‒2015年)

鳥羽水族館 飼育日記

リカジカの寄生虫,トリカジカエラモグリ(等脚目ウオノエ科): 駿河湾からの第 2 記録

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